乱れる

しくじった
その虚脱感で
水面に浮かんでるように
はっきりしない

自責の念と
痛みに耐えるために
いじけるな
くさるな
期待するな
夜の砂漠みたいな
心でいたら
大丈夫だって

でもそれは
生きていることと
相当に
食い違うような気がして

どうしようか
途方に暮れる

長ったらしい憂鬱で
しらけ切った心臓を胸に
泥だらけの足跡と
汚れ切ったスニーカー
慣れない手つきで
花壇に
苗を植えた

土砂降りだけど
きちんと肥料も入れて
丁寧に仕上げた花壇
常緑の低木に育つという
そして春には花が咲くという

それを眺めて暮らす嫁を見ながら
気が付いたときには
憂鬱は何処かに
逃げ出してしまっていたな

雨後

雨上がりの公園で
音楽を聴きながら
ぼーっとしていると
木々や緑葉が
優しく消えて

これも
幸福のカタチかも
そんなことを考えながら
ボトルに入れた
冷水を飲み干したら
もう音楽が終わっていた

また音楽を聴きながら
帰路についた
なんだかんだでいい気分だな

空が

誰かに言われた
明日空が落ちてくるかもしれない
そんな
漠然としたアリもしない不安が無い事もない

僕はそれでも
夜明けの鐘が
鳴るのを待っている

明日が来ないかもしれない不安と
「前途への道標」を
抱えている高揚を
天秤にかけながら

明日空が落ちてくるかもしれないけれど
希望は少しだけ残っているので
ただ待っている時を
楽しんでいる

朝起きたら

二十代の頃に味わった
初めての挫折と喪失の
傷跡を思い出していると
また
雨が降り出した

余りのショックに
泣くこともできなかったが
最近ようやく
雨が降るようになった

長い夜が明けたら
また起こしてくれ

朝起きたら
明日のことを
思うことも
出来るかもしれない


もしかしたら
雨も止んでるかもしれない

全ては
希望的観測に過ぎないけれど
希望とか
楽観視とか
縁遠いものだったはずが
今は
手元にあるよ

真実

混乱していると嘘が付けなくなって
馬脚を現してしまう
夜の中に逃げ込んで
泥酔して忘れようとしても
延々真実が追いかけてくる

追いつ追われつ嘘をつきながら
真実に追いかけられながら
それでも
人生の真実というものを
探し続けている

世界中探しても
見つからないのは分かっているし
何処に行っても見つからないのも知っている
人生の真実なんていうものは
必死に探して回っている自分そのものだ

対峙

どうしていいか分からないくらい
苦しい時
悲しい時
愛しい時
寂しい時
ただひたすらに
勉学に励むと良い

今までわからなかった
持て余していた感情を
得た知識と言葉によって
ようやく
面と向かって対峙することができる
対峙することができるようになる
その
苦しみ
悲しみ
慈しみ
それらを愛することができますか

囀り

どこかで鳥が囀っている
幸せを運ぶとか
そんな
メルヘンチックでは
ないのだけれど

仲間を呼ぶその声は
哀愁を感じない

蝶が羽ばたく姿も
パートナーを誘う姿も
拒否される姿も
寂しいと思ったことは無い

同じことを
人がすると
どうしてこんなに
寂しくて愛おしいのか

それでも
鳥は囀るし
ひとは求め続けるのだけれど

流れる

人生や運命は
自分で切り開くものだ
それは素晴らしいと思う

でも
人に流されて
想像もつかない所に流れ着く
そんな人生の旅
結構スリリングかもしれない

自分だけでは思いもつかない
そんな場所に
たどり着くこともありうる
例えそこが
天国でも
地獄でも

変化

諸法無我だと
目に映る自分以外のものは
自分じゃないので
変えることができない
そうなんだけど
ほんの少しでいいんだ
僕の何かで
あなたの心を変えることができれば
そんな日が来ればいいのにな
嫌なことを忘れて
のんびり笑いあえるような
そんな日が来ればいいのにな