Aria AIの説明
屍鬼(しき)小説 概要
屍鬼は、小野不由美によって書かれたホラー小説で、1998年から1999年にかけて刊行されました。この作品は、村で起こる吸血鬼の襲撃を描いており、深い心理描写と人間関係の葛藤が特徴です。
あらすじ
- 舞台: 小さな村「外場」。
- ストーリー:
- 村に新たな住人が現れ、次第に村人が次々と亡くなっていく。
- 死者は奇妙な現象を伴い、復活して吸血鬼となる。
- 村人たちは恐怖と混乱の中で、生き残るための戦いを繰り広げる。
主要なテーマ
- 人間の恐怖: 死や未知の存在への恐れ。
- 倫理と道徳: 生死の境界を越えたときの人間の選択。
- 孤立と連帯: 村という閉ざされた空間での人間関係の変化。
キャラクター
- 主人公: 村の医者や若い女性など、さまざまな視点から物語が展開される。
- 敵役: 吸血鬼と化した人々。
この小説は、深い心理描写と独特の雰囲気を持ち、多くの読者に影響を与えています。ホラー小説としてだけでなく、人間の本質に迫るテーマが描かれている点でも注目されています。
主人公が複数いて、色々な視点から話が進行していきます。まとめるだけの構成力は小野不由美さんならでは、なんでしょうね。
主要人物(事実上本当の主人公みたいな立ち位置)の静信の書いている作中作に非常に興味があります。クトゥルフとかにもたまにある幻想譚みたいなものなので雰囲気が割と好きです。
PS2のホラーゲーム、サイレンも主人公が沢山いていろいろな方面から話が進むもので、それを思い出しました。まあ救いがほぼないのと、難易度が高すぎて怖がっている場合ではないゲームでしたね。演出は相当怖いのですが何回もやり直すことになり慣れます。攻略情報がないと相当厳しく、「死に覚え」で敵の配置や行動パターンを覚えるしかないので。
一巻。世間から孤立したかのような山奥の村落に、場違いな豪奢な洋館が移築されるも、住民が引っ越してこず、色々な噂、憶測が飛び交っています、この洋館にまつわる怪しげな噂を中心に、村に変死が相次ぐ、道祖神が破壊されるなど不吉な出来事が起こり始める…
多数いる主人公の紹介と主人公たちの目を通じて描写される村とその人間関係、ですね。古くからの家系とそうでない人々で感じているものがだいぶ違うようです
変死が連鎖し始めて、異常事態であると感づく人が出始めるのと。例の洋館に人が越してきて、村の人と交流が始まったのが一致する…
二巻
主要人物の敏夫(医者)と友人の静信(住職)、役場勤めの人間(石田)が、続いている不審死の多さと、死因に不信を抱き、こっそりと調査を始めます。新種の伝染病を疑って行動を始めますが…
調子が悪くなって数日するともう死んでしまうという事態が相次ぐ、夜中に逃げるように引っ越す住民も増えていること、新しく入ってくる住人も増えているが、一切挨拶もないため、どんな人間か一切わからない。
どんどん村の濃密な人間関係が分断され、情報が行き届かないし、細切れになっていっています
話の核心に先に触れた、感づいてしまったのは住職の静信でなく、医師の敏夫の方だったようですね。最後まで非科学的なことは否定しそうな立場と性格でしたが、事態が逼迫してくると逆になった、というか病院のスタッフや関係者と、頼みの綱の石田、とどんどん犠牲がかさなったうえでのことなので仕方がないのかもしれません
静信のほうは、騙されてるとまでは言いませんが…著書のファンですと言われてるのもあって、あんまり疑いを持っていないですね。
二巻の終盤あたりでもう取り返しのつかないようなことになってきていましたし、表題にもなっている「屍鬼」の影がちらつき始めていますね。
今後主人公の一人として目立ってきそうな高校生の夏野君も、屍鬼の存在を…でも性格からして最後まで生き残るかどうか怪しい気がします。ちょっと性格がつれない(笑)
あれ。比較的感じがよさそうだった新参者の辰巳青年はかなりの悪い人(屍鬼の中でも希少種、デイウォーカー、日光に耐える)か。
あと屍鬼の共同体が人間社会より酷い、完全な階級社会か・・・だれか反逆しそうな感じはしますね。不満がだいぶ出ているのを辰巳が恐怖で支配していてその上に桐敷家があるみたいだし。
あと、屍鬼が増える=食料(血)が減るのと同義なので、このまま襲撃し続けるのはおかしい?まあ息のかかった病院ができるようなので、輸血用とかそういう話になるのかな?引っ越していった人は捕まっているみたいなので、そういうこと(食料)なの?
四巻
屍鬼の行動が活発になり始め、そのことに気が付いてしまう人も出てくるが、変わり者のオカルトおばさんのヒステリー行動で台無しになるし、主人公の一人静信の理想主義というより、屍鬼の元凶である一族の娘さんと仲良くなったので信じたくないから逃避してしまったという話が結構絶望感をあおりますね。医師の敏夫が一人で頑張っているが、病院スタッフ周辺も・・・彼がどうにかなってから静信の話になるのか、起死回生の一手が見つかるのか(そういう気配がなくはない)。
敏夫がかわいそうなぐらい頑張っている中、静信は事態を放棄してしまった。静信は好きになれないですね。でもこの二人が村の中心にいて、どんどん包囲されてるというか無力化されて行ってますね。それに住人の「入れ替わり」が進行し・・・
それと恵と正雄。恵は都会に出たがってるだけかと思ったら正雄と同じくらい性格がひねくれているし、似た者同士、一緒になるような感じかなぁ、と。あの子に退治されるのかな、と。ろくな退治のされ方しないでしょうし、そうじゃないとカタルシスがないくらい嫌で悪い奴になりましたね。
夏野君がまさかの・・・
それと意外な人物(いいキャラとしては描かれていない)が立ち上がった。
五巻
敏夫渾身の…!急展開ですね。大川の親父さんと夏野の親父あたりが中心になるかも?敏夫は何とかなりそうですが、静信のほうは暗い将来が暗示されていますね。彼が書いている小説が、エンディングを暗示していますね。まあ、どちらにも属することも許されず、かなぁ
静信がとった行動は作中作の完成で、そういうことかと納得できますし、彼の父も同じことだったのだなと。
屍鬼が追われる側になって色々別の側面が見えてきます。しかし、本当に嫌な奴は恵だなぁ。
粗暴なだけの危険人物と思われていた大川(父)が機転は利くしちょっと物騒ですが非常に頼もしいなと。この人いなかったら敏夫って危なかったんだろうなと思うシーンがあります。でも結局、凶暴さが仇になりましたね
あと、本当の黒幕は辰巳かと思っていましたが、ちょっと違う。沙子の為に動いているだけであって、屍鬼の集団には何の愛着もないみたい。この人は屍鬼の中でも沙子くらいしか信用してないし、むしろあんまり屍鬼のことが好きではないのか。沙子の為に我慢していると思われる節があります。静信に関しては割と信用しているのか、それとも沙子が好きな人物なので一目置いているのか・・・?
最後の方は大分深い話になりますし、いうのも野暮だと思うのでこの辺で。