怪物を読んで

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怪物 宝島社文庫 / 佐野晶 【文庫】
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映画のほうも見ていないのですが非常に気になったのでブックオフで購入しました

小学校教師が生徒を虐めてるという事件にまつわる話なのですが

被害者生徒、被害者生徒の親、教師陣、被害者生徒が虐めて居る(とされる)また別の生徒・・・

皆それなりに一生懸命悩みに立ち向かってどうにかしようとしているのですが、事件が起きた背景が相当複雑で、立場によって把握していることと、各々にとっての真実が大分違う。各視点で話が進むのですが誰もが少しおかしいけれど、悪人なのかと言われるとちょっと違う。この認識のずれはやり切れないなと悲しいですね

各視点から見ると誰が怪物かが違ってきます。自分自身が、というのもあります。

あと最後がかなり・・・描写はきれいなのですが誰も救われてないような気がしてなりません。ただ、怪物にならずにぎりぎり踏みとどまった人と、本当に化け物になったのはこの二人かもしれないな、というのがあります。

人間として踏みとどまった方に救いがあるのかどうかは読んでみてください。これなら・・・

怪物になった二人は・・・・

あと本当のややこしい原因を作った悪ガキ連中は自覚のないまま生活していきます・・・これが一番やりきれないです