アルバイト探偵(とコメディつながりで悪人海岸探偵局)シリーズを読んで

探偵、冴木涼介は見た目はなかなか渋いが全くやる気のない不良親父。大事件じゃないと依頼人を追い返すような変わり者(実は伝説的な元諜報員)。

息子の隆は適度に不真面目な高校生。時々親父の探偵業にアルバイトで雇われて探偵業のまねごとをすることがある

共通点はどちらも女好きということと、実は結構有能ということ。その有能さの裏側にあるものは…という話。

隆君が大体ふざけた感じで飄々としていて小気味よいです。締めるところは締めるタイプ


〇一巻 アルバイト探偵

裏世界の情報という情報を握っていた大物が寿命でこの世を去ったが、その膨大な量の「遺産」はどこに行ったのか。疚しい面々の捜索が始まる・・・

後々隆君の彼女になる、まあヒロインが登場。アイドルデビューの予定の元スケバン、見た目はかわいいがかなり凶暴なようです。その元スケバンというのでスキャンダルにするという脅迫や嫌がらせにマネージャーが神経をとがらせているときに、「遺産」を探す面々の魔の手がヒロインに迫る。

短編集、一話完結ですが内容は濃いので読みごたえがあります


〇二巻 アルバイト探偵 調毒師をさがせ

隆君が軽井沢でナンパした相手が、今回の仕事の護衛任務の相手を狙っているヒットマンだったという話から始まり、短編がいくつか。

スケバン(ヒロインの康子)グループVSドラキュラを教祖とあがめるカルト集団。康子がカルト集団から保護した少女の話から調査が始まる。

珍しく隆君の親父がハメられましたね。もちろん女性がらみで、遅効性の毒を珈琲に入れられてしまいます。タイムリミットまでに解毒剤を手に入れることができるのか・・

隆君の機転が面白いですね。親父は凄腕だし顔も広いのですが、わざと手加減して隆君に色々経験させようとしているようです。


〇三巻 女王陛下のアルバイト探偵

長編です。今回はいつものヒロインの康子はお休みです。

政情不安定な国の王位継承権を有している王女が留学に日本に来るのを非公式に護衛するという話です。序盤から怒涛の展開、謎解きも入り組んでいるし緊迫感がすごくて読むのを止められませんね。留学自体も裏がありそうだし、ヒットマンの雇い主も全くわからないまま。後半は舞台が日本から王女の生まれ故郷に移ります。後半のリベンジ編が冒険小説みたいになっていていつもと一味違います。何気にロマンス色があります


〇四巻 不思議の国のアルバイト探偵

朝起きたら見知らぬ土地の見知らぬ家で目を覚ます隆君。しかも見知らぬ家族がいて・・・記憶喪失ということにされ、見知らぬ土地で一人謎を解こうと奮闘する隆君の話。

隆君の親父が感情むき出しにして襲い掛かるほど殺意を持っている人物、粕谷が登場、何か大きなことでトラブルを抱えてるというのと、「人材」の話をしている

見知らぬ街に連れてこられて、知らない家族と共同生活を送ることになった隆君。どうややら「殺人鬼」が潜んでいて時々犠牲者が出ているということなのだが・・・

隆君の親父と合流したときの安心感。

結構ハードな話だったしなかなか悲しい方向に話が進むが、最後の最後が青春しているのでほほえましい。でこれ、本ヒロイン(康子)にばれたら大惨事になるような(笑)


〇五巻 アルバイト探偵 拷問遊園地

度胸もあるし機転も利くし、ボクシング経験もあり修羅場をくぐっている隆君だが、高所恐怖症という弱点を突かれ不覚を取ってしまう。隆君と親父のリベンジが始まる

どちらかというとシリアス展開(笑いどころはあるけれど)で、悪い連中や諜報員が一体何を追っているのかとか、謎が多く若干つらい展開が多いのですが、最後の大逆転の仕掛けをし始めるところから、鬱屈としたものが一気に吹き飛びます


〇六巻 帰ってきたアルバイト探偵

大分巻き込まれる事件が壮大になった気がします。最終巻。大物武器商人が死亡し、隠し持っていた小型核爆弾の行方が分からなくなる。情報によるとどうやら東京のどこかにあるらしい・・・

話が流れて、色々なグループが動き出したが正体のわからない勢力がいるし、どうやら特殊な訓練を受けているような集団らしい・・・

あと、核爆弾が見つからないのに意外な事実。これは面白いですね

クライマックスのしっちゃかめっちゃかが面白い


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〇悪人海岸探偵局

笑えるハードボイルド小説。思い切り昭和の臭いとセリフ回しが数年は記憶に刻み込まれるくらいインパクトがあり、公共の場所や通勤途中に読むとニヤニヤをこらえるのに苦労します。中途半端だとクサいだけですが、ここまで来たら褒めるしかない(笑)

昭和のキザなちょい悪親父が憎めないのですが、ニヤニヤが止まらなくて悶えそうになります。

主人公の通り名がキスミー・ベイベーのシロー。この時点で強烈ですね。

ザ・デストロイヤー(笑)

それでもちゃんとハードボイルドなビターな話が多いですね。ストーリー自体も面白い。

タフガイ(笑)のシローの苦手なものは幽霊だったらしい・・・

幽霊が出ると噂の洋館の調査をする話が面白いです。王道を行くオチも洒落がきいていて笑えます

最後の方はきっちりハードイルドでした。話がきっちり作りこまれているので、笑えるし面白いしで読みごたえがあります