君主論を読んで1


割と手段を選ぶなとか善悪の判断をしないこととか読んでない人のイメージが先行している気がしなくもないですが、かなり重要なことが書いていると思います。気になるところを纏めてみました

◎古来人々に対し支配権を持つ権力者は、共和制か君主である。

◎領土を獲得する手段

  • 他人の軍隊による場合
  • 自らの軍隊による場合
  • 幸運による場合
  • 実力による場合

◎得た領土が旧来君主制かつ、風俗習慣が似ている場合は維持が容易。古い君主の血統を絶やし、法や税制は変えないことで維持できる

◎言語、習慣、制度において旧来の領土と異なる場合、そこに多くの困難があり維持に非常な幸運と努力を必要とする。最も有効な手段は、征服者がその地に居を構えること。ほかに望ましい方策はその地方の重要な拠点の数か所に植民すること(ローマ方式)。植民は軍を送るのと違い費用が掛からずに維持ができる。

◎人間は些細な危害に対しては復讐するが、大きなそれに対しては復讐できない。人に危害を加える場合は復讐を恐れなくて済むような仕方でなくてはならない。

◎将来生ずべき災いをはるか以前から知ることができれば(賢明な人のみ可能)、直ちに対処し、災いを未然に断つことができるが、誰もが知りうる程度まで災いを昂進させてしまうともはや手の施しようがない。

◎領土獲得欲は極めて自然なものである。能力があるものが領土を獲得するのは称えられるべきで、能力のないもののそれは誤りである。

◎他人に勢力を得させる原因を作るものは滅びる

◎獲得された領土が自らの法によって統治され自由な国制であった場合

  • それらを破壊すること
  • 支配者自ら居住する
  • その地域の従来の統治を認めつつ税を徴収し支配者と友好的な寡頭政を樹立する

◎自由や昔の制度の利益というものは、どんなに時間がたっても、どんなに恩恵を与えても決して忘れ去られるものではない。

◎君主制より共和制のほうが、生命力があり支配者に対する憎悪と復讐欲がある

◎人間は他人の踏みしめた道を歩みその行為に対して模倣するもの。したがって賢明な人は偉大な人の道を辿って歩み、卓抜な人を模倣するべき。仮に自らの能力がそれに及ばずとも彼らの芳香に与かることができる

◎自らの実力によって君主となった場合、権力の獲得には多くの困難に遭遇するが、それを維持するのは容易である。自らの権力とその安全さを築くには、新しい制度や統治様式の導入が不可欠となるが、これほど困難なことはない。

◎事柄を実行する際に問題を論じようとするならば、祈るだけなのか自らの力を行使しうるかを検討すべき

  • 祈るだけ…障害が生じ何事も達成できない
  • 自らの力を行使しうる…危機に瀕することは稀

◎危険はその才能によって克服されなければならない。危険を克服して尊敬されるようになり、自らの資質に対して嫉妬心を抱く人々を絶滅してしまえば、彼の地位は安全かつ強大となる

◎利益を他人から与えられた人は、与えてくれた人の意志と幸運に依存するが、人間の意志と幸運は双方ともに非常に変わりやすく安定しない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です