秋の牢獄を読んで

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秋の牢獄 (角川ホラー文庫) [ 恒川 光太郎 ]
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ホラー短編集。

幻想的な話が多いです

夜市、雷の季節の終わりにも読みましたが、孤独感を描写するのがとても上手いです

〇秋の牢獄

朝起きると、同じ日の朝に戻っている。自分以外はそれに気づいていないと思っていたが、同じ現象に悩んでる人が意外とたくさんいることに気が付く

仲間が見つかるまでの孤独感も中々リアルですが、仲間がどんどん減って(おそらく次の日に脱出したと思われる)、新しい人が追加されてくる

その仲間が少しずつ減っていくのが寂しいやら、繰り返しから解放されるのがうらやましいやら。その状況と心理の描写がとても印象的

〇神家没落

呼ばれた人間しか見ることのできない、かつ周期的に場所を変えて出現する家の話。家の主になってしまうと、外に出ることもできず。代りが来るまで長い年月を過ごさなくてはならないという話。でもその生活が悪いものではなく…

孤独感の描写がとてもいいです

〇幻は夜に成長する

かなりダークな話だし、救いようがないですが、幻想的な話ですね。最後が解放されたと解釈する方がいいのか、超えてはならない一線を越えてしまったと解釈するほうがいいのか・・・