罪深き海辺を読んで


海辺の田舎町に住んでいた大富豪(通称:殿様)。身寄りがなかったので遺産は国のものになる予定だったが、相続人と自称する男が町に現れたことで、その利権をめぐり毒虫のような輩が群がり、行動を開始し始めて・・・

という内容だそうです。大沢在昌さんの小説は展開がすごいので、下手をすると次が気になって眠れなくなります(笑)

大体裏稼業の人がダーティな闘争を繰り返し、渦中に主人公と数人の堅気のひとが投げ込まれるといったものか、裏稼業と刑事ものが多いですがどれも面白いです

死んだ大富豪の遺産は市に寄付されたが、乱開発に使われて結局破綻寸前なのと、その大富豪の周りの人間関係がどうやら仕組まれた感じがするのと

乱開発にかかわった人間が色々悪だくみをしている、この田舎町自体がもうガタがきていて破綻寸前であること、そこに付け入って土地を安く買いたたいてリゾート地として復活させようと画策しているらしい?

地回り(地元勢力の手先)と、乱開発関連で進出してきた後ろ暗い勢力は仲が悪い、その二つの勢力のどちらかに、町の人間は組せざるを得ない状況であるということ。主人公は死んだ富豪の家系に連なる人間で何らかの理由があって町を訪れているが、それが何かわからないので色々憶測が飛び交っていると・・・

件の富豪の死に大きな疑惑と、遺言状が捏造されたものである可能性が高い、誰もが地元勢力か、進出した勢力のどちらかに逆らえない状態で、富豪の子孫として主人公が乗り込んできているのでどちらも自分の方に取り込もうと必死だが、一歩間違うと面倒な存在にもなりうるので、気をつけろと警告される。

主人公の祖母も母親も強盗に殺害されている。どうもかなりきな臭い様子。主人公が母の死について何か隠していて、それがこの街に来た理由の一つのような気がする・・・

富豪の身の回りの世話をしていた女性は家の復興を画策しているようだが、何か別の思惑がありそう。遺言状とか富豪の死の疑惑については蚊帳の外だったようだが・・

また眠れなくなりそうなので中断

遺産の話も遺言状を預かった弁護士曰く、土地以外はほとんど残っていなかった。だが、身の回りをしていた女性は、十億以上の現金があったといっている

地元勢力に飼いならされてる刑事が不審死したり、主人公と仲良くなった少年の父(進出してきた勢力に雇われている)が行方不明になったり。弁護士に雇われている人間が相当危険な人物(〇し屋だった)。

主人公が重要な資料を取りに帰るということだが、件の弁護士も・・・

弁護士が一番のわるかと思っていら違ったのと、本当に仕掛けた人と、仕掛け人に組み合わせはかなり意外でした。本当の悪は何となく、消去法でわかります

面白かったですし、大沢在昌さんの小説で時々あるビターな感じではなく、救いもあったので後味も悪くなくていいです