纏めの続きです
◎礼(倫理、規範)は国を強固にする根本。礼儀は政治の根源。国は礼がなければ正しくならぬ。国の運命は礼にかかる
◎人間は自然的に「群」を形成するが秩序が必要になる。それが分(差や区別等)である
◎国家は士や民のすみかであり国が政治を誤れば士も民も去ってしまう。道と法がなければ人は集まらず、君子がいなければ道は行われない。土地と人と道と法は国家の基本で、君子は道と法のもとじめである
◎国家の秩序は礼によって保たれるべきで、礼を補助するものとして刑罰が必要である
◎君主は人民の原である。国家を有するものにして人民を愛することも利することもできないのに、人民が己を親愛することができようか
◎国家を満足させる方法は消費を節約するには礼により、ゆとりを与えるには政策による
◎人間の欲望が多量だからこそ、賞罰による行政が 可能
◎縦の分業について
あるものは心を労し、あるものは力を労する。心を労するものは人を治め、力を労するものは人に治められる
◎人の能力は多くの技術を兼ねることはできないし、多くの任務を兼ねることはできない。だからバラバラで依存しあわなければ行き詰る
◎人の能力には限界があり学習により能力が分化することで、技術職能の「分」が起こる
◎縦横の分業の立体的な組み立てが上手く運用されれば組織は安定する。立体下部と上部の利益は一致する
◎欲望が過度になって暴走しないのは心が止めるからである。欲望が多くても、心が良しとする所が道理にかなっていれば問題はない
◎欲望は放任されるのではなく、調節されなければならず、その調節は「礼」(倫理や規範)によって行われるべき
◎名を定める
名の存在する目的は、名を定めてそれにより実を示し、上は貴賤を示し、下は同異を分かつ
◎統一国家において「名」は現実の権力により制定され強制される権力の一つ。例えば社会に秩序や身分の差を表したりする
◎およそ政治に有益な行為はこれを実施し、無益なものは廃止する。これを「中事」という。
政治に有益な意見ならばこれを実行し、無益な意見はこれを無視する。これを「中説」という。
中とは礼に合した行為のことを言う
◎名君は人を得ることを急ぐ。人を得るとことを急げば、わが身は楽で国は治まる
◎君主は礼を尊重し賢者を尊敬すれば王となり、法を重視し人民を愛すれば覇となる。利益を好み偽り多ければ危うく、権謀術数で陰険なのは滅ぶ
◎心は自律的な認識主体であり、体の主人である。「大人」とは心から偏見を消し去り心の自律性を完全に実現した人のこと
◎心にとって重要なこと
- 心を養うこと
- 心を治めること
- 心を一筋に働かせること
- 心を専らにし志を一筋にすること
◎学問とは仁義と一体となること
目は正道を見ようとせず。耳は正道以外を聞こうとせず。口は正道以外を言おうとせず、心は正道以外を考えないようにするということ