ダンマパダ~ブッダ「真理の言葉」講義~を読んで1


宗教としてはあまり関心がありませんが哲学としてはとてもためになるのではないかと思います。日本語では法句経と呼ばれるらしいです(その解説の本です)。

気になった点を纏めていきます。

◎すべての物事について、我々は自分の心を通じて認識する。心が汚れたり歪曲したりすれば苦悩が生じる。すべての物事は心と分離することはできない。

◎自己を調える

  • 身体を調える。第一歩は「極端な行為はしない」ようにすること
  • 言葉を調える。タイミングは良いか、慈しみに満ちているか、事実であるか、有益であるか、柔和であるか
  • 心を調える。「止」心身を静寂の状態に保って行う瞑想。「観」日常生活の営みからその行為をひとつづつ観察する

◎人間には見たいものしか見えない。聞きたいものしか聞こえない

◎楽も苦も一時的な状態である。ただ、楽の連鎖や苦の連鎖が起こっている。苦からも楽からも距離をとり離れることを「苦楽中道」という

◎自分はいずれ死ぬことを身も心も実感することより、怨みや憎しみの連鎖を断ち切る

◎信じるということはどういうことか

  • 自分とはどういう人間であるか自覚する
  • 自分の進むべき道をしっかりと理解する
  • 自分の立ち位置を認識する

◎功利主義と中道

〇功利主義。人間は快と不快に支配されている。だから快の総量と不快の総量を差し引きして、快のほうが大きければそれを善とする

〇中道。快にも不快にも支配されてはならない。どのような状況を快と認識し、何を不快と認識するか。その点検を始めることが中道の第一歩

◎四つの真理

  • 苦諦…生きることが苦しみである(思い通りにならない苦しみ)
  • 集諦…物事の本質がわからずむやみに執着するとそれが集まって苦の原因となる
  • 滅諦…苦が解体され消滅した世界は安らかである
  • 道諦…苦は正しい道を歩み心身を調えることで解体できる

◎正しさとはどういうことか

  • 妄見(自分の都合によって認識を歪めること)から離れる
  • 顚倒(きちんとしたメカニズムを理解しない)から離れる
  • 極端を離れる

◎八正道

  • 正見…正しいものの見方
  • 正思…正しい思考
  • 正語…正しい言葉
  • 正業…正しい行い
  • 正命…正しい生活様式
  • 正精道…正しい努力
  • 正念…正しい記憶
  • 正定…正しい瞑想

◎縁起

「どういう条件がそろえば一体何が起こるか」「こういうことが起こった場合、どのような要素が集合しているか」という関係の事

例)無明(根本的な無知)が執着(こだわり)を生んで、こだわりが苦しみを生む

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